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栗といえば、昔から日本人には欠かせない木の実だった。縄文時代には
大切な食料だったし、平安時代には乾燥させて皮をむいた「かち栗」に加工して
保存食にしていた。戦国時代になると「勝」に通じるとして縁起物に、そして昭
和20年代までは一部の地方で米の代用食とされていた。栗は日本人の暮らしに
密着したものだったが、今ではおこわや和洋菓子として秋の恵みを感じさせる
ものとなった。
しかし、栗は季節感を楽しむだけのものではない。漢方では
非常に優れた薬効を持つ食べ 物の代表とされているのだ。腎臓
の機能を 向上させたり下痢の症状緩和に、脚や腰が弱った高齢
者の回復作 用、血液循環を改善したり胃腸を丈夫にする働きも
あるとされている。ヨーロッパではゆでた栗をぜんそく治療に用いていたし、
日本の民間療法では咳止めとして栗の葉を煎じて飲んでいた。
このように栗は昔から健康に役立つものとしても食されていた。でんぷんが
主成分なので栄養価は期待できないと誤解されがちだが、肥満防止作用のある
ビタミンB1が非常に多く、ビタミンA、B2、C、ミネラル類も多い。特に今、
注目されているのは嫌われもの「渋皮」のタンニンだ。抗酸化作用でがん予防の
効果があることが分かり、渋皮ごと食べればむき栗では得られなかった栄養効
果まで期待できるのだという。
では、あの渋皮を抵抗なく食べるにはどうすればいいのだろうか。おすすめ
は揚げ栗。3分ほどゆでて鬼皮(外側の硬い皮)をむいて、渋皮のついたまま油
で中に火が通るまで揚げて塩を振るだけなのだが、渋皮独特の香りが栗の甘み
と良く合う。買ってきた栗がハズレというときでも、この方法ならおいしく頂
ける。口の中で渋皮がパリパリと崩れる食感はなかなかのもの。おやつや酒の
つまみにぴったりだ。栗ご飯やゆで栗、きんとんもおいしいが、新栗は渋皮ご
と食べてみよう